この日は友達のバイトの都合で遅めの時間に待ち合わせ。すでに会場時間を30分程過ぎていたため、会場は満員になりつつある状態。日曜日ってこともあって客入りも早め。それでもなんとか真ん中ら辺をキープ。
さすがにSold Outなだけあって、会場の熱気もすごい。なのに当日までチケット売り切れなんてことも知らなかったあたし。まさかそこまで人気あるとは。何気にすごいんですね。ここまで一度も来日してなかったっていうのも原因のひとつだとは思われるが、ちょっとあなどってました。ごめんなさい。
この日会った友達とは久々だったんで積もる話をタラタラしてたらいつの間にかライトダウン!でも開演時間はちょっと過ぎてたと思う。
いつもよりステージが遠かったしあんまりわからなかったんだけど、はじまるちょっと前に気づいて『あれ?』って思ったことがステージのライトアップで初めて明らかになる。なんと生ピアノですよ!しかもグランドピアノ!Quattroで生ピアノなんて見たの初めて!!
いつもだったらドラム用に一段高いスペースもあるし、アンプやらなにやらごちゃごちゃ置かれてるけど、それら全て取り払われて光の真ん中にグランドピアノが現れた。
その両端にはそれぞれのマイクとプラグインされたアコースティックギターが2本。それだけ。なんだかステージだけ見るとQuattroじゃないみたいな気さえする。
その中にメンバーの2人が現れた途端ものすごい歓声!!微妙に前にも押し出される。
1曲目はUntil You Understand。うわぁ~。なんかステージとはけっこう離れてるのに、アコースティックだからかまるで耳元ででも歌われてるような感覚。しょっぱなからこれはヤバイ・・・。
1曲目が終わると初めてのMC。
『Hello! We are Kings Of Convenience!』とEirik。またノルウェー訛りの舌っ足らずさがかわゆい。これで三十路ってマジですか?若いな。
頻繁に飛び交うノルウェー語で途中ErlendがなにやらEirikに話しかけるがEirikまるっきり無視。何を話しかけたのかは全く不明だけども、これにはウケた。(笑)
2曲目のLove is No Big Truthが終わると今度はErlendのMC。
『今日札幌から来た人いる?』なんて唐突に切り出す。他にも『○○は?××は?』なんて色んな地名言ってた。なんでそんないっぱい知ってるの?(謎)
それに続けてEirikが『それじゃ、この中で生まれも育ちも東京って人はどれくらいいる?手上げてみて。』って言って会場を見渡す。で、『へぇ~。そんなに多くはないんだね。』なんて独り言のように言う。
で、再びふたりでノルウェー語会話をし始める。ちょっと、待て。この人達ってもしかしてセットリストないのかな?
そう。彼らってセットリストがないんです。どうりで曲終わる毎に相談し合ってるわけだ。そのときの気分で曲順が変わるってわけ。
それより何より彼らのライヴってまるでスタジオ練習してるのを目の当たりにしてるよう。
飾り気もなければ、かしこまった感じもまるでない。ここまでラフに生演奏する人達初めて見たかも。
『はぁ~』なんて感じでピアノに凭れて話し始めた日には『あの~、ここ君達の家だっけ?』って言いたくなる。(笑)
終いにはライヴ中盤にもかかわらず『なんかもう疲れちゃった。』とか言い出すし。
『だって昨日日本に着いたばっかなんだよ?ノルウェーは今頃真夜中だし、ホントだったら寝てる時間なんだもん。』とErland。思わず『そうだよねぇ~。』って相槌打ちたくなるかわいさ。(笑)
しかしそんなこと言いながらもいい仕事しますな。彼らの演奏の素晴らしさといったらそりゃもう溜め息が出る美しさ!!CDで聴くよりもずっと色濃い感情が伝わってきます。
寄せては返す波のように。アコギにも関わらず、時折驚くほどの力強い音を聴かせてくれる。
しかも非常にラフな感じでやっておきながらも客の乗せ方までうまい。
Know Howでは"Oh~ What is there to know? All this is what it is~ Oh~ You and me alone~ Sheer simplicity~♪"ってとこを客に歌わせてその声が小さいとEirikが『Don't be shy!』なんて言ってみたり。
他にも指鳴らし要求したり、ハミングで歌ってなんて言ってみたり。ヴィオラ奏者が日本に来れなかったからその部分を口笛で吹いてなんて言うし。
ただピアノを弾くとき、あたしのいた位置からは指使いが見えなかったのだけがちょっと残念だったかな。Erlendはジャズピアノも弾けるみたいで、何気にさらっと弾いてたのがステキでした。
そういえばEirikがピアノ椅子に座ったまま突然『ニホンジンノオンナノコハミンナカワイイデスネ。ダレカボクトケッコンシテクダサイ。』とか言ったのにみんな大爆笑!本人意味もわからず誰かに教えられたままを言ったみたいで『意味は知らないんだけど、こう言えって言われて・・・。誰か意味教えてよ!』なんて言ってた。(笑)
アンコール前のラストソングはI'd Rather Dance With You。またしてもノルウェー語で耳打ちし合ってなぜかErlendはステージ袖に消えてった。
と思ったら曲がはじまってステージの奥の方からErlend歌声が響く。で、踊りながらステージ袖から出てくるErlend。ゲイバーかここは?(笑)
メンバーがステージから立ち去って直後にもアンコールを要求する拍手や歓声がものすごい!!正直ここまで盛り上がると思ってなかった。スゴイスゴイスゴイッッ!!!!
そんな中ステージに戻ってきたふたりも幸せそう。
で、Eirikがまたしても唐突に『誰かプラスティックのこういうやつ持ってない?ギター弾くちっちゃいやつ。これって日本語でなんて言うの?』って客に問いかける。
『ピックっていうのよ。』って誰かが答えると『あぁ、ピックか。誰かピック持ってる?こん中でギター弾いてる人はいない?次やろうと思う曲で使いたいんだけど、僕らひとつしか持ってきてないんだ・・・』なんて言う。(笑)
で、持ってた客がErlendに渡す。
ピックを使うってことはもしかして・・・って思ったらやっぱりToxic Girl でした!!
きゃぁあ~~~vvこの曲大好きなんだよねっ!!
曲が終わるとErlendは律儀にピックを持ち主に返してました。(笑)
『次でホントに最後の曲になっちゃった』ってEirikが言うと『えぇぇぇえええーーーーーーー!!!!』ってな感じのオーディエンス。
その反応に困った顔しててもやっぱり嬉しそうなふたり。
ラストソングはLittle Kids。
ホントにそこだけ春の陽だまりのような空間でした。幸せな時間をありがとう。また絶対帰ってきてね!!
余談ですが、アンコールが終わったにもかかわらず、更なるアンコールを求めて拍手のすごかった会場内。それをそのままにしておくのも悪いと思ったのか、再びステージにひとりきりで現れたEirik。
『でも、もうやってあげられる曲もないし、Erlendはものすごく疲れちゃってて・・・。でももしよかったら今ここでサインだけでも書くから欲しい人は前に来て。』と言ってその場でサイン会。
まるでその曲のように優しい人でしたvv